阪神電車御影駅の高架下にあるバーでありながら、アナログレコードが聴ける、見れる、買える店「バーチバ」。棚にはところせましとレコードが並べられているんです。目下の最大の心配事は、あまりのレコードの重さに床が耐えれるかどうか?
レコードショップの在庫も兼ねる店舗には、国内外の洋楽・邦楽・アニメ・アイドルまでレア版も多数まぎれてるので、レコード発掘しながら飲めまずぜ!音楽バカの方々!
レコード探しながら飲めるなんて、いいと思いませんか?
棚に居並ぶ数多くのレコードの中から、オーナーがピックアップしたキャッチーなレコードが壁に展示されています。
ブログで気が向けば酒に酔った勢いで、勝手に紹介していきます。
まだ在庫があるかどうかは、お店に行くか問い合わせてください。
記念すべき最初に紹介するのは、名盤中の名盤こと、ベタなこの一枚。
原子心母(Atom Heart Mother)
ピンク・フロイド(Pink Floyd)
希少:東芝EMI日本語帯付き。
プログレッシブ・ロックの先駆者であるピンクフロイドについては、ググればいくらでも情報が出てきます。実験的なプログレから、この『原子心母』で本格的に商業的に成功したピンクフロイドは、その後映像を表現に多く取り入れ、『狂気』でさらに世界的なスターダムへとし上がります。この帯の東芝EMIの名物ディレクター石坂敬一がAtom Heart Motherを直訳で「Atom=原子」「heart=心」「Mother=母」と訳した帯のタイトルは今見ても秀逸ですね。
ヒプノシス
ピンクフロイドの音楽的な解説は、他にまかせるとして話題を少し横にそれてレコジャケについて。やっぱり紙のレコジャケは面も大きくてプロダクトとして見応えがある。
このデザインをしたのがイギリスのデザイングループ「ヒプノシス(Hipgnosis)」。
音楽史、とりわけレコードのジャケットデザイン史において外すことのできないグループです。
ストーム・ソーガソン(Storm Thorgerson)とオーブリー・パウエル(Aubrey Powell)という二人がロンドンでデザインの仕事をしていた「ヒプノシス」に、友人であったピンクフロイドのロジャー・ウォーターズが2ndアルバム『神秘』のカバーデザインを依頼した事から歴史は始まります。以降ピンクフロイドのアルバムのほとんどのデザインを担当することになります。
そしてデザインが世界的に注目を集めたのは、なんといってもこの「原子心母」と後の「狂気」です。
まず「原子心母」作成の際、アーティストの写真でもなく、アーティスト名も記載されていないデザインが異例で、かなりデザイン検討の時には反対意見も多かったようです。ただ結果的に全英チャートNo.1を獲得し一気にその名が浸透し、同じイギリスであるレッドゼッペリンの名盤もデザインし、世界的に仕事を広げていきます。
ほんの一部ですが、以下のレコード好きなら一見したことある数々の名盤を手がけています。ちなみに、なぜか赤い玉が好きなようで、たびたびモチーフとして使われます。
とにかく、アー写を使う事が一般的だったカバーデザインでバンドとは一件無関係な写真を使い神秘性や1度見ると忘れられないデザインを数々生み出していきます。
興味があれば、全集も出ていますが、こちらも今は在庫が少ない本ですね。
このレコードはプログレッシブ・ロックの歴史的な一枚というだけでなく、デザイン資料として一級品の価値があります。